晴れ時々沈

 


Vol.6 2004年(こそ)自立の年
ハッタリだらけのヨット人生
葉山港へ引っ越して、今年はじっくりちゃんとやる年です
Happy People Sail Tasar!!
サイコーですかー?サイコーでーす!


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4月16日(金) 
タックメロメロ症候群

 あ゙―、会社休んじゃいました。今度の土日は本番レースというのに、週末は予定があって練習できないため、平日にコソ練をするという大胆な手に打って出ました。気温も高く快晴!日頃の行いがいかに良いかを物語っているようです。(会社サボっている人がいう台詞じゃないか・・・^_^;;)

 東京から車をぶっ飛ばし、葉山へ到着するとジョージさんがもう艤装を始めてる〜!どうしよう、やる気マンマンだ。すぐに着替えて出艇。南の風4〜5メートル。絶好の練習日和〜♪

 今日は、ジョージさんがコーチをしている青学ヨット部も出ているのでスタートや滑りなどを一緒に練習。相手はヨンナナだけど、リーチカーブやマストベンドなどジョージさんがアドバイスしているのを見ながらわたしも勉強。フムフム、人の走りを少し引いたところから見るといろいろなことがよく見える。人のは・・・だけど。

 昼過ぎに学生諸君が引き上げてからは、予報どおりに風が上がってきた。マークになるブイを探して、タック、ジャイブその他動作系コンビネーションの確認。風が上がってきたと言っても、せいぜい7〜,8mといった所なのに、緊張かビビリかわかんないけど、どうしてもいつもどおりに軽やかに行かない。なんでー!?
ジャイブは、本吉流同時ジャイブ。ロールジャイブでブームとともに体重移動しながら、風軸を超える瞬間にジブカットしてウィスカーを返すという上級コース。大変だけど、バシッと決まるとカッコイイ〜!ついついウィスカーを返すことに神経が行っちゃうけど、ロールをかけてメインをスムーズに返すことが最優先、と釘をさされる。

 問題はタック。どうしてもタイミングが合わない。何度も何度も何度も何度もやるけど、やればやるほどタイミングが合わなくなる。なんだかもー、わけがわからなくなってくる。なんでタックが決まらないんだ〜?へっぽこクルーのわたしだけど、一応、レベル低いながらもテーザーのクルー5年もやったのに、大きなレースにもいっぱい参加してきたのに、どうしてタックごときで (といってもとても重要な事だけど) こんなに苦労するの??もうすっかり タック恐怖症。今までのパートナーとジョージさんのタックが微妙にタイミングが違うのと、あとは気負いすぎ、意識しすぎでメロメロに。結局、最後まで決まらなかった。こんな状態でレースなんていやだ〜。

 最後に長いリーチングを一本走り、波乗りテーザーと化し、二人で涙(よだれ?)を流しながらアドレナリンを大放出させておしまい。 うぉーーーーっ!しょっぱい〜! この異次元トリップ久しぶり〜!これぞテーザーセーリング。

 お昼も食べずに2時過ぎまで乗ったので、もう膝がプルプルしてきた。いよいよ風が上がって来たので、少し早いけど退散。そして解装しているうちに風速10m超に。

 今日になって突然発病したタックメロメロ症候群。不安解消のためにわざわざ会社休んで練習したっていうのに、かえって不安が増幅・・・。むぅー、帰りの車でも、布団の中でも気づくとそのことばかり考えていて、なんだかトラウマになってしまった。あ〜ぁ、来週レース。どうしよう・・・。せっかくジョージさんと乗るんだから、頑張って上位を目指したいけど、そう考えると何だか息苦しくなって、逃げ出したくなる。無事にレースを終えて楽しい黄金週間を迎えられるといいんだけど・・・。結果は如何に〜!?

<来週につづく>


4月11日(日) 
カラダもアタマもキンニクツー

 今日はテーザー葉山フリートのレース。テーザーに乗るのは実に3ヶ月半ぶり!そしてナント、ひょんな事から今月末のスプリングレガッタはジョージさんと乗ることになったので、今日はその練習でレース参戦です。なんとなくソワソワと緊張の朝。

 今日は初ウェットスーツ!4月になってからは、陽射しがしっかりと強くなってきて、本当にさわやかな日。少々風待ちをしたあと、軽い南風が入ってきたところでスタート。で、レースの展開はこの際置いときますが、成績は3レースやって、1位、1位、4位。(たぶん。成績表未入手。) 最終レースはちとトラブルあり。

 やっぱりジョージさんはすごい。練習もしてなくて当然だけど、わたしは走りに貢献するどころか、足引っ張りまくりでした。あうあう。

 よかったというか、ホッとした事もありました。ジョージさんは私たちにとってカリスマ的に速くって、アナザーワールド!の人なんだけど、どうやら別に神がかったようなセーリングをしているわけじゃないみたい。テクニックやセンス、タクティクスはもちろんだけど、それ以外のとても細かい事やほんの些細な事でも、とにかく船を少しでも速く走らせるために必要な、ありとあらゆることを実践し、そういう事について決して妥協しないってことです。

 当たり前の事?んまーそう言われると返す言葉もないけれど、わたしみたいに ヨット界の底辺を身をもって支えちゃってる 者にとっては、頭でわかっていても、全てを完璧に実行することは、簡単なように思えて実はなかなか難しいんです。それはホビーホークでのレースも然り。そしてそれを実践できていないこともわかっています(-_-;) そういう事を面倒がらずにとことん追求していくうちに、小さな積み重ねが大きな力になってどんどんどんどん速くなって、気が付けば気が遠くなるくらい大きな差になるという方程式。私たちとジョージさんの差は、まさに「意識レベルの差」なんだなあという事を実感。
 
 そういう発見があった反面、実はこんな風にレベルの高い人と乗って、「もうダメだ、もうもたない」って思う場面もありました。マークが近づく時の緊張感、決めのタックを打つ時のプレッシャー、事細かに要求されるオーダーに答えられない時、考えている事のレベルが違ってどうにも付いていけない時・・・などなど。終わってみると、ぐったり疲れていました。たかがフリートレースなんですけどね・・・。10円ハゲができた人がいるとかいないとか噂があるけど、何となくわかるような気もします。

 うーん、あえて以前使った言葉を引用すると

「胸焼けみたいな自己嫌悪」 と 
「マンモスに踏み潰されたような挫折感」
 

ギャー、これってば、テーザーでレース活動を始めたばかりの頃、散々な目に遭い、打ちのめされる度に味わったのと同じ気持ちじゃーん!

 でも、カラダ中の産毛を逆立てながら神経を研ぎ澄まし、1つ1つの動作やトリムにこんなに集中したのなんて、思えばなんて久しぶりな事なの〜!?実は私ってば知らないうちに、こんな風に高い意識でレースに臨む事から随分遠ざかってしまっていて、長い間こういう気持ちを忘れてたんだー ショ〜ック! ジョージさんにしてみれば、こんなんで高い意識とか言われた日にゃ、とっ捕まえて絞め殺しアンカーと一緒に海に沈めたくなるかもしれませんが・・・。汗、汗。

 志高くレースすること。 なんかー、これって普段、わたしが軽く口にしながら求めていたいた事なんだけど・・・。そういう世界に足を踏み入れて、迷いなくガンガン行きたい、困難に立ち向かいながら、そういう世界を覗いてみたいって、ずっと思ってきたはずなのに、いざ大変な思いをするとなると、正直逃げ出したくなるような気持ちも・・・。

 実際、そういう道を避けて通るのはとっても簡単な事だし。仲良しチームを作り、楽しく愉快にやればいいんだから。テーザーではそういうのもありだから、それもある意味わたしが求めてきたもの。この2つって絶対に絶対に交わらないものなのかなー?困難な道に足を踏み入れてみたいような気もすれば、別にそんな世界一生知らなくてもいいような気もする。もっともっともっとしごかれてみたいような気もするし、みたくないような気もする・・・。でもやっぱりチョット覗いてみたい世界かな。

 あ〜あ、なんか、脳ミソまで筋肉痛になってきました。難しく生きるのは性に合わないんだけどね〜。

とりあえず、めげずに スプリングレガッタがんばろー!おー!
そしたらまたなんかわかるかも!



めでたく退院

 先月末、オリジネートの尾崎さんのところにテーザーをお迎えに行った。うっとりするくらいスベスベのボトム。本当にきれいに生まれ変わった。黄色だったハルカラーはネイビーブルーとグレーのツートンに塗り替えた。そうそう、ここ 「晴れ時々沈」 のページと同じ色。 (正確に言うともちっと青いけど)

 2004年も怒涛のレースシーズンに突入してしまい、毎週忙しく(?)ヨットに乗っています。そんなわけで、マイ・テーザーのメンテは少々スローペース。少しずつリプレイスパーツを買って、楽しみながら手入れしています。GW頃までには完成すればいいんだけど・・・。

 退院して葉山港へ戻り、真新しい船台を組み立ててフネを載せてみる。
・・・うーん、待てよ、古〜いフネに、新品の船台。タダでもらったフネに、6万円の船台!!
えーと、えーと、どっち上に載せるー???


2月22日(日)
秘密任務完了

 木曜夜から東名をぶっ飛ばし、沼津の実家に立ち寄って、金曜朝11:00、豊橋港にたどり着く。通関業者のヤードでブツを受け取り、新車!でのカートップも時間がかかったケド何とかやり遂げて、土曜の昼、葉山港へ。搬入手続きを済ませ、これで秘密任務完了。

 隠すことじゃあないんだけど、葉山港の新規募集の抽選に当選したのを機に、晴れてマイ・テーザーを手に入れました。イギリス生まれの超!お古だけど、ここからが自立のための 「始めの一歩」 。

 今までは、会社のヨット部にお世話になってきて、恵まれた環境で、楽しい仲間と貴重な経験をいっぱい積んできました。 ヨット部始まって以来の海外遠征 もしたし、西へ東へカートップしてレースに出かけ、テーザーにはまっていったわたし。おがわっち、大ちゃん、クマちゃん、なかじー、ヤマシタさん、まさちゃんによねちゃん。みんな、ほんとにありがとう。

 さて、持ってきて早々に何ですが、マイ・テーザーはしばらく入院することになりました。豊橋にフネが着いたのは丁度春一番が吹いた日!搬出の最中に突風が吹き、荷捌きのヤードをフネが飛んでいったらしい・・・(-_-;) 。ベアハルのテーザーは64〜5キロしかないから、ラッシングしていなければだだっ広い港で突風が吹いたら飛ばされていくのも想像できるけど、業者にしてみれば、まさか全長5メートル近くあるフネが風で飛ばされるとは夢にも思わなかったらしい・・・。

 ご対面してみると、結構シリアスなダメージ・・・。擦れて面取りされちゃったトランサム、傷だらけのボトム。なんとボトムには小石が陥没していて、それを取って見たら穴ぼこがーっ!!なんてことー!?これはインナースキンまで到達する穴ぼこで大掛かりな修理になりそう。修理代は目玉が飛び出すような値段だったけど、なんとか通関業者と折り合いがつき、向こうの負担で修理してもらえることになった。ホッ。

 前途多難なこれからのわたしのテーザーライフを物語るようなデキゴトだったけど、もう済んだ事は仕方ないので、きれいにしてもらい、あとはゆっくり手を入れていくつもり。

 今までとはやっぱりなんか違う、愛しいマイボートです。



ジプシークルー

 1年ぶりのカキカキになりますが、やっぱりテーザーセーリングはわたしのライフワークじゃないかと思うので、Vol.6を始めようかと思います。

 昨年の活動については全然書いていませんが、相変わらず鼻息荒くすべてのレースに参加しました。でもなんというか、本当にヒッチャカメッチャカな1年でした。というのも、全ての公式戦を違う人とペアを組んで参加したからです。
ズハリ、わたしは 「ジプシー・クルー」

 ジプシークルーは結構疲れます。気を使うというのもあるけど、いつも準備不足でレースに臨まなくてはならないので、志を高く保つのが難しいんです。でもいい経験もたくさんしました。特に6月にカナダで行われた世界選手権では初めて外国人とペアを組んで参加しました。英語漬けの毎日で知恵熱出そうだったけど、日本人と違うなと思ったのは「チーム力」というのをとても重んじているという事です。大失敗をしてトホホ状態の時も、フネが滑らずにイライラするような場面でも、励まし合ってポジティブに明るく振舞う。フネを速く走らせるためにはやっぱり一致団結してピンチを乗り切る事が、結果的には一番船を前に進めるってことですねえ。

 考えてみれば、野球やサッカーやバレーの試合中に、チームメイトに対してブチ切れて怒鳴ったりするなんて、あんまり聞いた事ないですからね。本当に速いチームはお互いに絶大な信頼を置いているってことでしょうか。自分が選んだ相棒なんだから、当たり前のことなのかもしれないけど。

 だからといって海外のセーラーが皆お行儀がいいわけではなくて、オゲレツなチームは世界共通にオゲレツのようですけど。マーク回航の時、自分のクルー(奥さん)に向かって「ビッチ!」を連発している 野人みたいなオージー もいたし、ミートの度に お下劣度100%! で錯乱作戦?に出るチームもいましたし。ニッポンカップに来たディーンバーカーでさえ、腹の虫が収まらないときは本部艇に向かって 「Bullshit=このクソ野郎〜!」 とかわめくんですから、やっぱり色々って事?

 そうそう、色々ありながらも一緒にワールドに行ったまほろってん。私にとっては、この先長い友人になるだろうな、と思える人になりました。泣いたり笑ったり忙しかったけど、カナダでのワールドの10日間は何事にも変えがたい経験です。ホントにもう、今思い出しても泣いちゃうくらい真剣にヨット、ヨット、ヨット!!な日々だったもん。大人になって、こんなに夢中になって打ち込めるものがあるなんて、すごい幸せな事なんだと思う今日この頃。

 今年の目標? それは〜、
【 今までの年数ばっかり長いハッタリのヨット人生を捨てて 素っ裸 になること 】 です。

( 注: 素っ裸でヨットに乗るわけではないのでご安心ください )




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